加工品の製造ライン(工程)にアレルゲンを含む(コンタミネーション)食品を生産している場合はどうしたらいい?

加工品

このような質問を、外来で時折受けます。

私の回答は「基本的に気にしなくていいよ」と、ほとんどの患者さんへ説明しています。

何故なら、ごく一部の重症のアレルギー患者さんを除き、大多数の患者さんは問題ない為です。

食物アレルギーを持つ患者さんには身体に取り入れた時にアレルギー反応を起こす最小量(閾値)というものが存在します。

ゆで卵のタンパク量で例えると

1g(グラム)−1mg(ミリグラム)−1μg(マイクログラム)−1ng(ナノグラム)

このうち、mg(ミリグラム)単位までのアレルゲン摂取した場合、中等症(少量のアレルゲン摂取で重症ではない程度の症状が出現)の食物アレルギーのお子さんでは症状が出る可能性があります。

一方、ng(ナノグラム)単位のアレルゲン摂取は、どんな重症度の場合でもアレルギー反応を起こしません。

ただ、μg(マイクログラム)単位のアレルゲン摂取は、ごく稀にアレルギー反応を起こす患者さんが存在します。

基本的に軽症(アレルゲン少量は摂取OK)〜中等症までは、問題ありません。

一方、少量でアナフィラキシー等の重症のアレルギー症状を認める重症の患者さんでは、μg(マイクログラム)のコンタミネーションでも注意が必要な可能性があります。

食品表示において、特定原材料(アレルゲン)が数μg(マイクログラム)以上含まれる場合は表示が必要です。

そのため、食品表示に記載されない製造ラインでアレルゲンが使用される(コンタミネーション)に関して、上記のような重症の患者さん以外は気にする必要がないと言えます。

その為、製造ラインまで気をつけた方が良いのかに関して、主治医の先生とアレルゲン毎に重症度を評価してもらった上で、方針を決めると良いかもしれません。

尚、この製造ラインでアレルゲン物質を使っているかどうかの記載は、食品表示の法律において必須項目ではありません。

つまり、記載がないからといって、製造ラインでアレルゲンを使用していないとは言い切れないということです。

加工品をどこまで気をつけるべきか。。。

悩ましいところですが、一緒に考えていきましょう。

ではまた、次の記事にて

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