食物アレルギーにおける重症度に関して、アナフィラキシーを起こす子は高いと評価されます。
これは半分正解ですが、十分に評価出来ているとは言えません。
なぜならアナフィラキシーと言う言葉は「症状」の重症度しか、評価できていないからです。
実は、もう一点評価すべきことがあります。
それは、「症状を認めた際に食べていた(摂取した)アレルゲンの量」です。
つまり、症状は同じアナフィラキシーでも、ゆで卵白1個を摂取したのか、1g(1/40個)摂取してアナフィラキシーを起こしたのかでは、同じアナフィラキシーでも意味合いが異なるのです。
上の例で、ゆで卵白1個でアナフィラキシーを起こした子は、摂取量を1g(1/40個)程度まで減らせば症状なく食べることができるかもしれません。
これは、10年前と現在の負荷試験の違いでもわかります。
10年前の鶏卵負荷試験では、1回の検査で1/2個相当(約20g)のゆで卵白を負荷していました。
一方、現在の負荷試験では、1回の検査で1/32個相当(約2-3g)のゆで卵白を負荷するようになりました。
この負荷試験の変化により、以前はアナフィラキシーを起こして負荷試験を延期せざるを得なかった子にも、比較的安全に負荷試験を行えるようになりました。
現在でもこの真の重症度をどう表現するのか、決まった呼び方(名称)や物差し(度数)はありませんが、負荷試験や、過去の病歴から評価することが可能であると徐々にわかってきました。
もし、(採血陽性で)食べたことがないアレルゲンがある場合は、一度負荷試験で真の重症度を調べると今後の良い指標になるかもしれません。
ぜひ主治医の先生と相談してみてくださいね。
ではまた次の記事にて
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