誰しも悩む、採血結果の判定方法〜鶏卵編 その2〜

食物アレルギー

前回、鶏卵における採血検査の判定・評価方法についてお話ししました。

今回は前回に加えて、私が実践している評価方法に関してお話ししたいと思います。

卵白とオボムコイド以外に気をつけている採血項目は「非特異的(総)IgE値」です。

鶏卵と牛乳の負荷試験と総IgE値の関係について、堀向先生が報告されています。

Total serum IgE level influences oral food challenge tests for IgE-mediated food allergies

(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/all.12562)

ざっくり説明すると、総IgEが高い患者さんの方が、低い患者さんよりも反応性が低かったよというものです。

ここで「⁇」と疑問が出てくる方は食物アレルギーリテラシーの高い方です。

普段、卵白やオボムコイドなどのアレルギーの数値が高くなることは、食べる検査(負荷試験)で症状が出やすかったり、反応性が高くてアナフィラキシー起こしやすかったりして注意が必要なはずでは。。。と考えます。

例えば、卵白:10 UA/ml、オボムコイド:3.5 UA/mlという患者さんがいて

  1. 総IgE:75 IU/ml
  2. 総IgE:1000 IU/ml

と、別々の総IgEの患者さんがいた場合

総IgE値が低い1の患者さんでは、負荷試験(総負荷量を少量に設定)でアレルギー症状が出る可能性があると予測します。

一方、総IgE値が高い2の患者さんでは、同様の負荷試験ではアレルギー症状を認める可能性が低いと予測します。

個人的な理解としては、1の患者さんは全部のアレルギー数値(総IgE値)における、鶏卵の割合が高いので、より純粋に鶏卵に反応するIgEなのではないかと思っています。

患者さん自身に対して反応(攻撃)してしまうことから、例えるなら精鋭部隊のようなイメージでしょうか。

一方、2の患者さんは全部のアレルギー数値(総IgE値)における、鶏卵の割合は低いので、雑多に作られてしまった為にあまり反応性が良くないIgEかなという印象です。

例えば、竹槍部隊みたいなイメージですね。

この見解がどこまで正確かはさて置き、実際の負荷試験でも「総IgE値」はとても参考になります。

次からは採血以外にも負荷試験で参考になる項目に関して、解説していきたいと思います。

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