最近ツイッター上で医師国家試験の結果が出たり、大学受験の結果が出たりと進学に関する話題を良く目にしました。
特に医学部といえば一般的に狭き門とされ、そこに集う人は優秀な人が多いと思われています。
ですが、ひとえに医学部といってもピンからキリまであります。
日本国内に焦点を当てると、歴史のある旧帝大医学部から新設の私立大医学部まで、そのレベルは様々です。
今回は、地方の偏差値55程度の高校から、ちょうど真ん中くらいのレベルにあたる地方の国立大学医学部へ入学するに至ったお話をご紹介しようと思います。
背景
まずは、私自身の大まかな人物像について述べたいと思います。
※個人の特定を避ける為、情報にフェイクを混ぜますが、重要な点に関してはそのままお伝えいたしますので、ご了承ください。
私はとある田舎に生まれ、近所の幼稚園から公立小学校へ進み比較的のびのびと成長しました。
ただ、特性として幼い頃よりADHD傾向があり、忘れ物が多い、人の話をジッと聞くのが苦手、集団行動中に勝手に一人で動くなど、少し変わった子どもでした。
また、幼少期から特に優秀という事はありませんでしたが、本を読むのが大好きでした。
寝る前に布団の中で本を読んでいたので、小学生低学年の頃からメガネをかけていました。
特段運動が得意というわけではありませんでしたが、田舎で成長したので体を動かす事は好きで体力や運動神経は平均より少し上な程度だったかと思います。
親は極端に教育熱心というわけではありませんでしたが、習い事や塾に関しては比較的積極的であったかと思います。
ちなみに子どもの頃の習い事はスイミング(小1〜4年間、嫌になって辞めた)、サッカー(小1のみ、眼鏡をかけ始めたので辞めた)、ピアノ(幼稚園〜小4間、嫌になって辞めた)、塾(小4〜、姉が通っていたので)といった感じです。
基本的に面白いと思えない事は長続きしない性格でした。
好きな事はゲームで、当時はゲームボーイやスーパーファミコンの全盛期で、一番ハマったのはポケットモンスター(緑)とMOTHER2です。
少し脱線してしまいましたが、幼少期は大体このような感じのどこにでもいるような子どもでした。
続いて、中学-高校時代です。
中学-高校は徒歩圏内の地方私立の中高一貫校(偏差値55程度)に入学しました。
進学した理由は姉が通っていたからです。
尚、中学・高校を通して、中間試験や期末試験である程度上位の成績は取れていましたが、元々勉強が好きではなかった為、一番をとる事はほとんどありませんでした。
ですが、高校までなんとなく進学した私は、それまでに大きく躓いた経験がありませんでした。
その為、高校生になり、いざ医学部を目指すとなった際に、模擬試験などでE判定しかとった事がなかったにも関わらず、なんとなく大学受験がうまくいくのではないかという根拠がない自信がありました。
そして、当然のようにセンター試験では十分な点数が取れず、二次試験でも勿論不合格の文字が入った薄い封筒を受け取る事になったのでした。
持たざる者が医学部を受かる上で必要な二つのモノ
これまでの背景から、私が医学部受験にあたり明らかに足りない点がありました。
私が医学部受験において最も必要であると感じているモノの一つ目は「覚悟」です。
そのように最も感じたのは、大学受験に失敗し予備校で浪人を始めた時の事です。
予備校生活で寮に入ったので、高校までの生活と一変しました。
新たな環境に身を置き始めた頃はあまり実感が湧きませんでした。
4月下旬のある夜の事です。
その日は休日で、色々と考える時間がありました。
その考えていた事とは高校時代の友人達と自分との差でした。
順調に大学受験を終えて、大学がある県へ散って行った友人達。
片や大学受験に失敗し、足踏み状態の私。
この事実を認識した瞬間、順調に行かなかった自分を恥じ、悔しさの為、寮の自室で泣きました。
そして、同時にここから先の人生に何も決まっておらず、何ものでもない自分に愕然としました。
今まで何となく周りと同じようにレールの上を走っていたつもりが、急にその先何もない事をつき蹴られれている事に気付き、恐怖したのでした。
これが私の人生で初めての挫折だったわけですが、同時にこの時ようやく自分の足を地につけ、歩き始めたとも言える瞬間でした。
それまでは心のどこかでこれまでのように「自分はなんとかなる」という根拠のない自信をずっと持っていました。
そして、この事をきっかけに自分の立ち位置が「背水の陣」である事をようやく理解できたのです。
それを理解できた事で、このエピソード以降勉強にとても身が入るようになりました。
朝から予備校へ行き、夕方には帰宅。
夜はその日に学んだ事をただただ復習。
当日学んだ問題を全て解き直し、間違えた問題は「正」の文字をテキストにドンドン残して、自分だけの苦手分野テキストを作り上げていきました。
その状態で5月頃から、平日は日中に授業を受け、帰宅後は3-4時間復習に使う。
休日は模試やその復習が終わっていれば、朝から街にでかけ本屋巡りをしたり、友人と食事に出かけたりして、比較的自由に過ごしていました。
こんな生活を半年も続けていると、自然に偏差値は65-70台まで上昇し、国立大学医学部が射程圏内に入ってきました。
結局は、自分で自分の立ち位置を理解し、これからの目標は何なのか、目標を達成するには何が必要なのか、その必要な事をやるのかやらないのか。
これらの事を心の底から納得し、「覚悟」を決める。
後は「環境」さえ整えば、能力がない私でも地方の国立大学程度であれば、合格する事ができました。
一方、世間には天才と言われる人たちがいます。
彼らには今回私が記した覚悟などなくても、十分に医学部に通る能力を有しています。
ですが、実際に医学部がそれらの天才達だけで占められているかというと、実はそうではありません。
医学部にいるのは、ただただテストを効率良くパスできるだけの人がほとんどを占めます。
そして効率よくテストをパスする方法を、教えるのが上手な人たちが世の中にはゴロゴロいます。
私のように能力が高く無い場合は、予備校などへ通い適切なレベルで教えてくれる人に教わり、パスする方法を身に付けるだけです。
最後に私が医学部受験に関して重要だと思っている「覚悟」と「環境」の関係性にて述べたいと思います。
環境が整い、覚悟がある場合➡️やるべき事を必要な分だけできます。
環境が整わず、覚悟だけある場合➡️やりたいけども、周りに足を引っ張られます。
環境が整っていても、覚悟がない場合➡️やるべき事が必要なだけやれません。
環境が整わず、覚悟もない場合➡️どうしようもありません。
ちなみに私にとって予備校と寮という「環境」は、一定時間勉強できる場所が複数ある事や、周りに誘惑が少ない事、自分のレベルに合った授業を受けられる事と十分に有用な場所でした。
今思えば、これらは高校時代には一つも揃っていませんでした。
同時に「覚悟」もできていなかったので、現役時代の医学部受験は落ちるべくして落ちたとしか言いようがありません。
子どもというものは勝手に成長するので、覚悟を決めてから必要な環境を整えれば十分だというのが私の持論です。
特に男の子の場合は、やるべき事とやりたい事が一致しない事が多く、子育てで苦慮することは少なくありません。
そんな場合は親がやって欲しいなと思う気持ちは一旦置いておき、子ども自身に沢山の経験と失敗をさせ、自分で考える力を身につけて欲しいものです。
勿論言うは易し、行うは難しだと思いますが、個人的には男の子程親が構わない子育てを実践した方が良いのではないかとすら感じています。
やや脱線してしまいましたが、最後に繰り返しお伝えいたします。
もしお子さんが医学部を目指すのであれば、「覚悟」を決め、然して「環境」を整える。
事をお勧めいたします。
今回は総論的な内容になってしまったので、後日各論であったり、医師に必要な素養など私が普段考えている事を記事に出来たら幸いです。
それではまた次の記事にてお会いしましょう。
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