花粉症というのは実は通称で、正式には季節性アレルギー性鼻炎といいます。
一方、主にダニによるアレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎といい、原因によって症状が出ている時期が異なります。
症状はどちらも鼻水、くしゃみ、鼻詰まりなどです。
なので、季節性アレルギー性鼻炎であれば花粉が飛散する時期はずっと、通年性アレルギー性鼻炎であれば日常的に鼻水、くしゃみ、鼻詰まりの症状が出ます。
単なる鼻水でしょ?とお思うかもしれませんが、鼻水やくしゃみ、鼻詰まりを人によっては四六時中認める為、非常に煩わしく生活の質が落ちてしまいます。
例えば、授業中や仕事中に鼻水が垂れるとずっとティッシュを握りしめておかないといけなかったり、副鼻腔炎を合併した場合ぼーっとして、勉強や働いている時に集中力が落ちたりなどで学業や仕事に悪影響を及ぼすこともあります。
また、アレルギー性鼻炎は他のアレルギー疾患と違って、自然に治る事が少ないのが特徴です。
基本的な治療方針は
- アレルゲン(反応する花粉やダニ)の除去
- 薬物治療
- 免疫療法(アレルゲンに対する反応性を軽減する治療)
- 手術
ですが、1.アレルゲンの除去を行ったにも関わらず症状が改善しない場合、2の薬物治療を延々と行う必要があるかもしれません。
基本的に喘息のお子さんは発作が起こらなくなればお薬を減薬・中止する事ができますが、通年性アレルギー性鼻炎のお子さんではダニが周囲の環境に存在する限り症状はなくならないので、ずっとお薬を飲み続けることになるかもしれないのです。
その為、鼻炎症状で相談を受ける時にしっかりと説明し、理解して欲しいと思っている点は
- 自然に鼻炎が治る可能性は低いこと
- アレルゲンの除去(換気や掃除)が重要であること
- 症状がある場合、永遠にお薬と付き合う可能性があること
- 免疫療法という根本的に治す方法もあるけど、数年単位の時間がかかること
その上で、今後どのように治療を進めていくか、症状でお困りの度合いに合わせてお一人お一人相談するようにしています。
上手く付き合っていく方法を一緒に考えていきましょう。
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