段々と寒さが厳しくなってきていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
布に包まり、ぬくぬくとしながら横になるのが心地よく感じるような季節になってきました。
そんな頃に悪さをし始めるのがダニ(チリダニ)です。
このチリダニには主に湿潤地域を好むヤケヒョウヒダニと乾燥した地域を好むコナヒョウヒダニとがあります。
これらのダニに乳児が暴露(家の中で一緒にいると)される事は、ダニの採血数値が上がるだけでなく、喘息発症に関連するという事が分かっています。
特にダニアレルゲンの一つであるDer p 1というタンパク質は、プロテアーゼというタンパク分解酵素を持つ為、直接人体の気道に炎症を起こし経気道感作(気管や肺を通して、アレルギー状態が進行する事)を成立させてしまう可能性があります。
そして、このDer p 1量は多い程、より人体に強く影響します。
Der p 1量:2μg/g dust以上➡️ダニの感作(採血数値上昇)+喘息発症
Der p 1量:10μg/g dust以上➡️喘息増悪
その為、ご自宅で布団や毛布の掃除を一生懸命されている親御さんも多いかと思います。
ただ、掃除頑張っているのに、中々喘息が落ち着かないお子さんはいらっしゃいませんか?
そんな場合、掃除の方法がもう一つな事が多い印象です。
というのも、ダニアレルゲンには以下の特徴があるからです。
- 洗濯だけでは、意外に数が減らない
- 湿気を好む一方で、高温には弱い
- 布団を叩いだだけでは、あまり数が減らない
- 生きていようと死骸だろうと反応する
洗濯だけでは、意外に数が減らない
ダニは節足動物の一種で、足が鉤爪のようになっています。
その為、毛布や布団の繊維にガチッとしがみつき、洗った程度では流れ落ちません。
湿気を好む一方で、高温には弱い
イメージ通り、ダニはジメジメした場所が大好きです。
その為、布団やベッドの中は人だけでなくダニにとっても、居心地が良い環境と言えます。
一方、高温に弱いという特徴もあります。
その為、定期的に毛布も布団も干しているご家庭も多いかと思います。
ですが、光あるところには必ず闇があるように、お日様の光が当たっている部分は高温になりますが、干している内側は日陰になります。
するとダニたちは布団の中を居心地の悪い、陽の当たる高温の場所から内側へ移動し身を守るのです。
布団を叩いだだけでは、あまり数が減らない
更に布団を叩けば、埃が落ちるのできっとダニも減っているだろうと思われがちですが、実際には先ほどの鉤爪理論により十分に減らす事が出来ません。
生きていようと死骸だろうと反応する
じゃあ、今はやりの大型布団乾燥機でダニを退治するのはどうだろう!と思われるかと思います。
確かに布団全体が高温になれば、布団中のダニはほとんど死滅するでしょう。
しかし、喘息を含むアレルギー疾患の患者さんにとって、ダニは生きていようが死んでいようが、アレルゲンとして反応してしまうのです。
これでもダメだとすると、じゃあどうすればいいの⁈との声が聞こえてきそうですが、ちゃんと解決方法を準備していますのでご安心下さい。
最終的にオススメできる対応は「毛布や布団に掃除機をかけること」です!
最近の掃除機はとっても優れものなので、しっかりと毛布や布団に掃除機をかけてあげる事でダニを減らす事が可能です。
具体的には1m x 1mの広さを20秒近くかけて、ゆっくりと掃除機をかけます。可能であれば表裏両面やると、より多くのダニを除去できるかと思います。
掃除機の種類に関して、オススメしている商品というものは基本的にありません。
どの掃除機でも良いので、こまめに掃除するという事が最も重要です。
この「こまめ」の目安は1週間に1度程度で構いません。
週末など、まとまった時間が取れるタイミングで定期的に掃除するのが良いかと思います。
最後になりますが、ダニが悪さをする喘息をお持ちのご家庭では、定期的な寝具の掃除がオススメです。
更にその前に高温乾燥機などでダニを退治しているとより、効果が増すかと思います。
適切な掃除でお子さんを守れると嬉しいです。
ではまた次の記事にて
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